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塾経営に失敗するケースとは

塾経営は軌道に乗るまでが大変な業界ではあるものの、初期投資費用が比較的低額で済むため開業しやすいビジネスモデルとも言われています。生徒の数を増やしたり成績向上や結果を出したりなど、実績を積めば積むほど軌道に乗りやすく、やるべきことは明確です。しかし開業しやすいけれど廃業件数の多い職種であることもまた事実。同業他社が多く、競争が激しい業界なのです。さらに塾経営には多くの課題も見受けられます。

多くの課題をクリアしないと、塾経営を軌道に乗せるのは大変になってしまう場合も。他社との差別化はもちろん、何を売りにして運営していくのか、どのようなコンセプトにするのかなど、細かく設定して運営するのがポイントです。塾経営でありがちな失敗例や対策方法などを、具体的にわかりやすくまとめました。

知らないと失敗に繋がる、塾経営が厳しい理由

生徒数の減少

子どもは減り、塾の数は増加しています。生徒数がきれいに分散したとしても、塾1校あたりの生徒数は減少しているのが現状です。ただし、塾に通う生徒数は増えているのでニーズは低くありません。他の塾との差別化が大切です。

塾講師確保の難しさ

塾は、正社員講師だけではなく、大学生のアルバイト講師も少なくありません。大学生は、卒業するとアルバイトを辞め、他の企業に就職するケースがほとんどです。長期的に稼働してもらえる良い講師を確保するのは塾経営の課題と言えるでしょう。

コスト管理の難しさ

経営ではコスト管理が大切ですが、塾経営ではコスト管理の難しさが課題のひとつです。生徒一人あたりの集客コストがかかりすぎているケースもあります。生徒一人あたりの売上が集客コストを上回るようにコスト管理を徹底しなければいけません。

個別指導ニーズの高まり

多くのサービスでは、少数のユーザーに対して個別でサービスを提供するより、ある程度の規模の集団に対してのサービス提供のほうが利益を生みやすく、塾でも集団指導をしているところが一般的でした。しかし最近では、個別指導のニーズが高まっています。個別対応は経営を圧迫しやすいため、体制を整えることが重要です。

塾経営で失敗しがちな具体的な例

塾経営に失敗するのは必ずしも指導の実力やスキルが伴っていないからではありません。講師の経験がない、経営が未経験であっても、塾経営は戦略や方法を練ればうまく起動に乗せられます。塾経営の失敗につながるありがちな具体例3つを見てみましょう。

大手のやり方をそのまま導入して運営する

ついやってしまいがちなのですが、大手塾の手法や戦略をそのまま引用して、塾経営しようとするパターンです。特に塾経営をスタートして間もない、小さな塾でやりがちな失敗です。やり方や手段をマネするのは、誰だって簡単にできます。塾経営に限らず、物事がうまくいかないときは、解決する方法を調べて実践したくなるでしょう。しかし、全く実績や知名度がない小さな塾と、名前も有名でブランド化されている塾が同じことをやっていたら、大手の塾に生徒は流れてしまいます。知名度だけでなく口コミや実績、生徒数や教室数などを比較しても、開業して間もない小さな塾には魅力を感じないでしょう。大手には大手、小さな塾には小さな塾ならではの戦略や方法があります。スキルのない小さな塾が、大手のマネをして塾経営しても、メリットがないのです。

塾を開業する立地が悪い

土地の確保にフォーカスしてしまい、生徒だけでは通いづらい立地に開業してしまうパターンです。塾経営は、講師のクオリティや実績と同じくらい、開業する立地が大切だと言われています。最近はオンライン化が進み、わざわざ対面しなくても勉強ができる時代です。これからも、オンラインニーズは高まるでしょう。だからといってニーズがオンラインのみになるというわけではなく、直接通って指導を受けたいニーズも同様にあります。だかこそ、通いやすい立地条件が必要なのです。都心部なのか、地方なのかも考慮しながら開業する場所を決めなければ、生徒も呼びにくくなるでしょう。

  • 学校からは近いけれど、最寄り駅までが遠く生徒たちが通いにくい
  • 終わる時間が遅く、保護者の送迎が必要で子どもだけで通えない
  • 最寄駅からは近いけれど、自転車を止める場所がなくて通いにくい
  • 駅から遠い場所にあって、塾が終わる時間と電車の時間が合わない
  • 住宅地の中にあるけど、夜は人通りが少なくて子どもを通わせにくい

といったケースも、通いにくい要因として挙げられます。特に共働き世帯が多く、保護者の手を借りないと通えない場合、違う塾へ流れやすいので要注意!生徒は通いやすくても、保護者にとって利便性やニーズが一致しなければ、生徒は入塾しにくいでしょう。生徒目線だけでなく、保護者目線も考慮して立地を決めないと集客が難航し塾経営の失敗に繋がりかねません。

価格競争や戦略に巻き込まれてうまく塾経営できない

競合他社の生徒獲得戦略や競争に巻き込まれて、思うように塾経営できずに失敗してしまうパターンです。特に巻き込まれやすいのが低価格競争で、大手塾や資金的な体力が十分にある塾であれば、数を確保できるため競争に耐えうる可能性もありますが、開業して間もない塾や小規模を売りにしている塾にとっては、厳しい戦いになるでしょう。

小さな塾の場合、受講価格よりも、いかにクオリティの高い指導サービスを提供できるかがポイント。安くて通いやすい塾経営よりも、適正価格でクオリティの高いサービスを提供できるかが勝負なのです。生徒数の増減や競合他社に取られてしまうことを不安視し、価格競争に乗ったり巻き込まれてしまうと、塾経営失敗に繋がります。値段ではなく、サービス内容の共感やクオリティの高さを求めている家庭にアプローチできるかが勝負なのです。

塾経営の失敗を防ぐための方法や対策

塾経営の失敗を防ぐには、ポイントを抑えて戦略やサービスを展開しましょう。具体的なやり方や手段ではなく、考え方や思考を踏まえた方法と対策を、わかりやすくまとめました。

塾経営における明確なビジョンやコンセプトを決める

まずはどんな塾経営をするのか、何をゴールにするのかビジョンやゴールを設定しましょう。ビジョンやゴールは、塾経営における基礎となる土台です。土台を崩さずに、ブレない指針となるものを設定します。ビジョンやコンセプトを決めるときは、ふんわりしたものではなく、より明確に数値化したり言語化したりするのがポイントです。

  • 私立四大学合格できるカリキュラムにこだわる
  • 5年後は生徒数を○人にして、毎月入学する生徒が◯人いるように運営する
  • 国立大学の〇〇大学合格を目指すクラスを2つ運営する
  • 〇〇大学クラスには、現役大学生講師を◯人担当に専門的に入れたい

最初は明確でなくても、アイデアを出していくにつれて方向性が見えてきます。どんな塾経営がしたいのか、どんな理想を持っているのか、まずは自分の頭の中で思い描いている塾経営を紙に書き出してみましょう。

生徒像やターゲットを確定させる

塾経営に欠かせないのが、ターゲットの選定です。どのような生徒が塾に通ってくれるのか、どのようなニーズを持っているのかを含めて、顧客ターゲットを確定させましょう。生徒像だけではなく、保護者のニーズや家庭像も同様に意識します。

  • 生徒や保護者が何を求めているのか?
  • 周辺のライバル塾に通う生徒はどこの学校が多いのか?
  • 生徒達が求めているゴールは何か?
  • 周辺にどのくらいの塾があるのか?

生徒像だけでなく環境も踏まえてリサーチしながら確定させましょう。ある程度のデータが集まったら、ペルソナ像設定をして、ターゲットを確定させます。塾経営のビジョンやコンセプトからズレないようにしつつ、生徒や保護者のニーズを取り入れた経営ができるようにしましょう。

集客方法は限定せず、様々なものを試す

すぐれた塾という自負があっても、集客戦略が甘いと人は集まりません。塾も個人から大手まで競合が複数あり、実績も豊富で知名度も高いところも多いからです。生徒や保護者は、目的を確実に達成してくれそうなところを選びます。

塾の集客はビジネスの観点が必要です。集客の方法は複数ありますが、インターネットでホームページやブログを作成しただけで満足せず、幅広く積極的に活用しましょう。塾以外の他業種では、集客のために何をしているか参考にしてみるのもおすすめです。

他にも、体験授業やキャンペーンを実施すれば、興味を持った方の入塾や認知度向上にもつながります。ポータルサイトへの登録もユーザーに知ってもらうためには有効です。集客方法は複数あるため工夫をすれば、認知度のアップからの集客への流れの構築が期待できます。

講師・生徒のために、運営の効率化を図る

塾運営は効率化の意識も大切です。失敗する理由に、非効率でいきあたりばったりのおもいつきだけの運営方法があります。結果、運営業務が非効率になり、講師や経営者の負担が大きくなって運営がボロボロになって講師も生徒も離れる悪循環につながります。

効率を考えるなら、塾システムの導入がおすすめです。生徒管理、出欠席、指導報告書、保護者とのコミュニケーションをスムーズにする機能が備わったものもあります。生徒数が増えれば請求や集金の管理の負担も大きくなり、カリキュラム作成も大変です。集客を見据えたとき、生徒の合格率や競合に負けない強みや得意分野を分析できるデータも求められます。その点も、塾システムでデータを蓄積できるため助けになるのです。

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まとめ

塾経営は、開業資金が低価格でスタートしやすいため、ライバルが多い業界です。生徒や保護者のニーズをキャチしながらも、いかに戦略立てて運営するかで軌道に乗るか?廃業するか?が決まります。やみくもに大手学習塾のやり方をマネするのではなく、オリジナリティを出しつつ、自分の塾でしかできない強みやクオリティにこだわって運営してみましょう。塾経営をスタートさせる前にビジョンやゴール、ターゲットとしている生徒像をあらかじめ設定すると◎!塾経営がうまくいっていない人も、改めて今後の方針を考えてみましょう。クオリティを追求するためにも、人手を割く必要のない作業は、自動化・システムに任せる方法の検討がおすすめです。

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