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主要業務となる生徒の指導だけではなく、情報管理や集客に関わる雑務も多い塾運営では講師の負担も増えがち。作業や雑務に追われ、生徒たちとコミュニケーションを図る機会や指導に割く時間が減ってしまっては本末転倒です。最悪の場合、保護者からの苦情という形でトラブルに発展する可能性もあります。人力の必要ない単純作業や、ヒューマンエラーが頻発し修正に時間が割かれてしまう作業はIT化を検討し、効率的な塾運営を目指しましょう。
日常生活にIT技術が浸透し、一人一台デバイスを持っているのが当たり前な時代。あらゆる業界においても効率化を図ったIT化が進んでおり、塾業界も例に漏れず様々なシステムやサービスが提供されています。塾業界におけるIT化に期待される主な効果は、生徒の成績アップ、講師・スタッフの生産性アップ、コスト削減など。気になる項目があればチェックしてみてください。
生徒の成績をあげるため、わかりやすい指導はもちろん大切。それ以外にも、勉強に集中できるよう環境の整備をしたりコミュニケーションを取ったりして、モチベーションを高めていくのも成績を上げる大切なポイントです。指導しやすいカリキュラムの作成はもちろん、通信・対面それぞれにおける生徒のニーズを掴み、興味関心を引く工夫も必要でしょう。
しかし、それらを問題なく行える優秀な講師はなかなか見つからないもの。ただでさえ人材不足が問題視されている今、生徒の成績アップに結び付けられる工夫はITの力を活用して実践すべきでしょう。
塾の講師は授業をする以外にも、たくさんの業務をこなします。講習ごとのテキスト作成、受験対策やテスト対策などシーンに応じたカリキュラムを組もうと、真剣に取り組む程多忙に。対策を打たなければ残業時間はおのずと増え、仕事のやる気が低下したり講師を辞めてしまったり、講師不足に歯止めがかかりません。
ほんの一部の雑務や手作業でも、生徒全員分積み重なれば大きな負担に。IT化して自動化すれば、業務のスマート化を図れるでしょう。ヒューマンエラー防止にも繋がり、業務の効率化実現に近づけます。
塾講師の仕事は、主に授業・事務・営業の3つにジャンル分けできます。それぞれが独立した分野なので、スタッフによっては得意・不得意分野も出てくるでしょう。IT化は仕事の正確性が期待できるだけでなく、一定のクオリティが保証されるため低コストで効率的に業務を進められるのが強み。人材を探し、面接をし、雇うといった多大な時間とコストを考えるとIT化の方が手っ取り早く、かつ安定した業務をこなしてくれます。
塾運営全体の課題解決はもちろん、プライベートと仕事の両立や働き方改革にも貢献してくれるIT化。業務の効率化は塾の運営がまわるようになるだけでなく、働く人の過労やストレス対策にもなります。
昔ながらのやり方を大切にしたい気持ちがあるかもしれませんが、多様化する社会で時代の流れに乗っていけるか、塾の運営方針は市場ニーズに適しているのか、今一度客観的に考えてみましょう。
IT化、IT化と言うけれど、具体的に何をすることなのか疑問に思う方もいるでしょう。塾運営のIT化とは、運営フローにITを導入すること。ここではIT化できる作業について紹介します。
毎月の受講料管理業務をIT化できると、これまでエクセルを用い手作業で行っていた入金チェックが不要に。システムによって口座の入金情報を自動的に取得し、確認が簡略化できる場合があります。手入力項目が無くなることにより、ヒューマンエラー防止にもつなげられ修正の必要がなくなるため、作業負担も軽減。「定期的に発生する」かつ「正確性が求められる」業務は、IT化検討の価値があるでしょう。
対面授業だけでなく、リモートによるオンライン授業が実施できれば、講師が自宅から授業を提供することも可能に。遠方の講師を採用できるだけでなく、交通費も発生しないため、経費削減にも効果的です。
システムの中には、HPから問い合わせのあった見込み顧客は現在どのフェーズにいるのかといった状況の管理や、獲得見込みを一覧で管理できるものも。ただでさえ営業はデータの分析が重要になる業務。講師として採用され畑違いの営業業務を任されているスタッフがいるのであれば、少しでも負担なく顧客管理できるよう、IT化を検討してはいかがでしょうか。
塾運営でIT化した場合どのような運営が期待できるのでしょう。従来の方法からIT化導入後の変化や効果の具体例を見てみましょう。
生徒ごとのカリキュラム作成をする個別指導塾の場合、生徒だけでなく講師同士のスケジュール調整も重なるため大変手間がかかります。しかし、これも指導以外の雑務にあたるもの。
塾システムを使用すれば、カリキュラムの自動生成や、スケジュールの共有も可能に。常に最新の状態のスケジュールが把握でき、かつどこからでもチェックできればカリキュラム作成の負担も軽減されるでしょう。
塾の規模にもよりますが、個人塾で生徒を募集する場合折込チラシを入れたり地方紙に広告を出したりといった広告費のかかる方法が一般的です。SNSを使った集客も珍しくありませんし、ポータルサイトを利用する手も。ポータルサイトの場合資料請求されるごとに課金されますが、成約率は高くない傾向があります。
しかし、中にはサイト利用者が入塾して初めて課金となる運営体制のポータルサイトも。集客や広告に使う媒体のシステムを理解して、より効率のいい仕組みを利用しましょう。
生徒の新規募集だけでなく、塾運営するための講師の求人募集にもITの力を借りましょう。webサイトで求人を行う際は、どのくらいの人がこのサイトを利用して採用されているのか使用率の高いサイトを探すのも大切です。
また複数の塾に一つひとつ応募するだけでなく、講師のデータを登録し、求人を行っている塾側で設定した条件にあてはまる講師に対してスカウトメールを送信するタイプのサイトも。効率よく求人活動を行うことが可能です。
ソリューションの中にはカメラ配信・個人情報の管理ができるものもあります。カメラやインターネット回線を使い、授業を受けている様子を保護者が確認できたり、多数の教室や休憩室がある大型の塾の場合各部屋を効率よく把握できたりする効果が期待できます。
このように、ITソリューションの種類は多岐にわたり、従来では考えられなかった新しいものも次々に生まれています。塾の課題が把握できているのであればそれに合わせた手段を探すのはもちろん、どこから手を付けたらいいのかわからない場合は、まずどういうサービスがあるのか探してみれば、ぴったりのものに出会えるかもしれません。
手作業でやっていた業務がIT化し仕事が減ると、視野も広がり新たな気づきが得られる場合も。今まで当たり前だと思っていた作業、気に留めていなかった部分での効率化が実践できれば、塾全体のサービス向上にもアプローチできるでしょう。また効率化し新たに生まれた時間を、これまで時間がかけたくともかけられなかった部分に当てればクオリティアップも期待できます。
効率化という直接的な効果だけでなく、相乗効果も得られるため、塾運営に新たな風邪を吹き入れられるでしょう。
一口に業務効率アップと言っても、その切り口は様々有あるように、一口にIT化と言っても利用できるサービス、ソリューションは多様です。大切なのは、塾の現状を把握し、最も優先して解決すべき課題を見極めること。業務負担の軽減はワークライフバランスの改善にもつながり、職場環境が改善されれば働く人も、生徒も自然と集まってくるでしょう。IT化を検討し、塾運営を効率的かつスマートに進める方法を試してみてください。